『MUSUME-Dojoji 』


2022年 

11月15日(火)19:00
11月16日(水)14:00 

 *受付・開場は開演の30分前より/上演時間は約60分 

 

振付・演出・出演:きたまり 

共同制作:木ノ下歌舞伎 

 

「娘道成寺」は日本の有名な説話「安珍清姫伝説」を下敷きに舞踊化したものです。歌舞伎舞踊屈指の大曲で、恋の執念によって蛇体に変化してしまう女の物語。初演から約270年間、数々の名優によって踊り継がれてきました。

この古典曲に、きたまりが独自の分析を重ねながら、身振りのもつ意味性を再構築し、伝統的な構造を踏まえた上で、現代的な身体感覚で大胆に振付け直したのが本作です。
2008年の初演以来、木ノ下歌舞伎のレパートリーとして4度の再演と海外招聘公演を重ねてきた作品ですが、2022年より、きたまり自身のレパートリー『MUSUME-Dojoji』として新たな進化を遂げます。幼女から娘、成熟した女性、老女、執念によって蛇体へと変貌する異形まで、あらゆる〝おんな〟の姿をちりばめながら踊り抜きます。

 


舞台監督:浜村修司 
音響:佐藤武紀 
照明:秋野良太 
衣装:大野知英 
美術原案:杉原邦生
ドラマトゥルグ:木ノ下裕一 
宣伝美術:升田学 
舞台スタッフ:川端将来 西本至則
制作:山﨑佳奈子 

使用写真:2019年木ノ下歌舞伎舞踊公演『娘道成寺』より
Photo:Yoshikazu Inoue  提供:京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター


Q1『MUSUME-Dojoji 』とは、どういった演目でしょうか?

きたまり/『MUSUME-Dojoji 』の元々は2008年に現代における歌舞伎演目上演の可能性を発信する団体である、木ノ下歌舞伎から声がかかり創作したソロダンスです。初演以後、木ノ下歌舞伎と二人三脚で10年以上にわたり幾度も上演してきた大切な作品なのですが、コロナ禍の最中にダンスショーケースでの上演依頼があり「娘道成寺をもっとフットワーク軽くいろんなところで上演したい」と木ノ下歌舞伎に相談し、2022年に横浜とソウルでの上演を機に“木ノ下歌舞伎版”『娘道成寺』の独立派生形である“きたまり版”『MUSUME-Dojoji』としたのが、今回の演目です。

『娘道成寺』同様に、きたまり演出・振付・出演のソロダンス作品ですが、随所に異なる部分があり、常に変化を受け入れ攻めの姿勢で挑戦しつづけるのが『MUSUME-Dojoji』であります。



Q2『MUSUME-Dojoji』 の見所等があればお聞かせ下さい。

きたまり/歌舞伎舞踊「京鹿子娘道成寺」の長唄を使ってるので、詞章を予習してると楽しみ方が倍増するかも知れません。もちろん知らなくても大丈夫です。丹精こめて作ってきた全力でしか踊れない作品なので、刻一刻と変化する身体のありようを味わっていただければと。古典演目を題材にする時にいつも古典と現代の違いってなんだろう?と、思います。たかだか数百年で人間の所業がそれほど変わっている気がしなくて、昔の人も今の人も、小さなことで悩みもがき、喜びうかれ、沢山の言葉にならぬ想いを抱えながら生きていて、そんな人生の中にある人間の美しさや醜さを詰め込んだのが『MUSUME-Dojoji』です。上演にあたり、支えてくださった木ノ下歌舞伎とヨコハマダンスコレクションの方々に感謝申し上げます。