『lonely woman{tane}』


2022年
11月16日(水)18:30開演 
 *受付・開場は開演の30分前より/上演時間は約90分

コンセプト:黒沢美香 
ディレクション:きたまり

出演:岩本伊織、きたまり、クリタチカコ、河野千晶、羊屋白玉、マユンキキ、茂呂剛伸、
やまみちやえ、Yoshinori Kikuzawa、Total Knock Out Orchestra pickup

「lonely woman」は黒沢美香のダンス・プロジェクト「偶然の果実」(1990-2002)の中で生み出され、バニョレ国際振付賞第1回ジャパンプラットフォームにて国内最優秀賞を受賞、バニョレでのダンス・フェスティバルに日本代表として参加のため渡仏するも、 その即興性の強さのためにフェスティバルから上演を拒否されたという伝説を持つ作品です。
“立ったその場を動いてはならない”というルールのもと、3人ずつ数組のダンサーが交代で舞台に上がり、横1列に並び30分間のダンスを行います。
30分の時間は“ヒト時計”の登場によって知らされ、時間を知らされたダンサーは次のダンサーに交代します。これまで数多く上演されてきた本作の参加者は音楽家、美術家、詩人など多分野に及び、ダンス経験のない人たちも、それぞれの方法でダンスをつくりあげてきました。今回の公演では、きたまりのディレクションのもと、『lonely woman{tane}』として、道内外から集まった多様な出演者と共に上演に挑みます。


舞台監督:浜村修司 
音響:佐藤武紀 
照明:秋野良太
宣伝美術:升田学 
舞台スタッフ:川端将来 西本至則 
制作:山﨑佳奈子
協力: 黒沢美香アーカイブズ 


使用写真:2013年Dance Fanfare Kyoto vol.1 「lonely woman」より
Photo:Yujiro Sagami

【SCORE】

 ルール
ダンサーは立ったその場所を動いてはならない。

地図
横に並んだトリオでダンスする。・・・・・・・・空間位共同態
交代する縦のデュエットでダンスする。・・・・・・・・時間位共同態

手続き
1.ダンサー3人は、前を向いて横一列に並んで立つ。
2.ダンサー各自は、それぞれ<開始時>に正面向き直立の瞬間を経過する。
3.開始後30分間は【ルール】と【地図】の範囲内でなんでもできる。
4.30分経過時点では、次の3人と交代が成立しているべきである。 


Q1 lonely womanとは、どういった演目でしょうか?

黒沢/「lonely woman」は、伝説のダンス・プロジェクトとなった「偶然の果実」(1990年〜2002年)の中で始まりました。3人で横一列に立って並びます。立った位置でダンスを創るプログラムです。「ダンサーは立ったその位置を動いてはならない。」という制約で1991年から遊ぶようにして始まりました。ヤケクソも背景にあります。85年からダンサーズとして活動を始めましたが、なにをしても「あれはダンスではない」と言われ続けていました。こんなにダンスに満ち溢れても、他の人はダンスと認めない。こんなにダンスでも、当時の定義に外れていたのでしょう。ダンスではなく、パフォーマンスだということでした。言い方はどちらでもよかったのですが、当時はこれをダンスと宣言し続けることが重要でした。そうしなければ100年経ってもダンスが変わらない硬直に恐ろしく思えたからです。


Q2 lonely womanの見所等があればお聞かせ下さい。

黒沢/ダンスは飛んだり跳ねたり移動することで自由奔放さを表すとされていました。そしてダンスの訓練をしている人がダンサーで、そうでない人はダンサーではないという括りが、ついこの間までありました。「lonely woman」はそれまでのダンスに意義を唱えるところから始まっています。動かなくてもダンス、回転しなくても足を上げなくてもいい。柔軟でない人も、やったことない人もダンスする。<すでに体が満ちて膨らんでいる。これ以上なにをすることがある。立っているだけで充分だ。>が前提です。ダンスとはなにか、ダンサーとは誰のことなのか思考形式をひっくり返してくれるところが見所です。一番最初の「lonely woman」メンバーである平松み紀、クリタチカコ、出口大介に感謝いたします。


2013年Dance Fanfare Kyoto vol.1 オープニングプログラム「lonely woman」黒沢美香インタビューより抜粋 https://dancefanfarekyoto.info/report/01_01/